2015年5月17日日曜日

「精選 英文法道場」 飯田康夫著 (駿台文庫) (3)


312. New York is larger than (      ) city in Europe.

      1. most      2. any      3. every      4. any other     (九州産業大)

[解答312] 2. any

[完成文と日本語訳] New York is larger than any city in Europe. 「ニューヨークはヨーロッパのどの都市よりも大きい」

[考え方] ニューヨークはヨーロッパの都市ではないので、比較の対象の中から除外する必要がない。

【池内】 3. every も可であろう。

【問題例1.1.5】 範例文 その5

(イ) He is the brightest of all the boys in his class.
(ロ)He is brighter than (      ) (      ) boy in his class.

[正解] any other / every other

【コメント】 求められている答えは any other だが、実際にはネイティブ・スピーカーは every other を使うこともある。(Gareth Watkins・河上道夫・小林功『これでいいのか大学入試英語』(大修館書店)、p. 74)


325. John looks (       ) when he is cooking.

      1. happiest      2. like the happiest man      3. the happier      4. the happiest     (慶大)

[解答325] 1. happiest

[完成文と日本語訳] John looks happiest when he is cooking. 「ジョンは料理をしているときが一番楽しそうに見える」

[考え方] 空所は主格補語となる形容詞なので、無冠詞の最上級になる。

[文法チェック] ◆最上級の形容詞(叙述用法)◆ 限定用法の形容詞の場合は原級、比較級、最上級いずれの場合も、限定修飾される名詞が特定か不特定かに応じてtheまたはa/anをつけるが、叙述用法の形容詞の場合は主語または補語となる名詞を叙述説明するだけなので、そもそも冠詞は関係ない。

【池内】 意味不明の解説である。the の有無は主格補語か否かで決まるのではないし、叙述用法の形容詞にはtheが付かないなどという規則もない。
a) John looks the happiest in his class.(ジョンはクラスの中で一番幸せそうに見える) 
b) John looks happiest in his class.(ジョンはクラスにいるときが一番幸せそうに見える)

同じ人や物の中で性質、状態を比較する場合は後に名詞を補えないので、最上級でも the は不可:TV is (×the) most interesting when it broadcasts the news. テレビはニュースを放送している時が一番面白い(◆(1)ただし、《米》では機械的にtheをつける人もいる)
(『ジーニアス英和辞典』(大修館書店)第5版)

「精選 英文法道場」 飯田康夫著 (駿台文庫) (2)



104. "(      ) I take you to the library?"
        "Thank you, please do."

        1. Will      2. Must      3. Shall      4. Should  (獨協大)

[解答104] 3. Shall

[完成文と日本語訳]"Shall I take you to the library?" "Thank you, please do." 「図書館に連れて行ってあげましょうか」「はい、お願いします」

[考え方]応答文の do はtake me to the library の代用である。「どうぞそうしてください」と答えているのだから、問いの文では「~しましょうか」と尋ねたはずである。

[池内]Shall I ~? の丁寧表現として 4. Should I ~? を用いることも可能である。それどころか、《米》ではShall I ~?は堅苦しく響き敬遠される。

現代アメリカ英語では(特に口語),Shall I ...? / Shall we ...? はあまり使われていないと断言できる.ふつうShould I ...? とか,Do you want me to ...? を使う.Shall I  ...? が使われるときは…フォーマルな状況に限られている.(岩橋敬三『日米口語表現辞典』(研究社出版)、p. 264)


134. He found that the stone was too heavy (      ).

        1. for him to lift      2. for him to lift it      3. so that he couldn't lift it      4. that he couldn't lift it  (京都産業大)

[解答134] 1. for him to lift

[完成文と日本語訳]He found that the stone was too heavy for him to lift. 「彼は、その石があまりにも重くて持ち上げることができない(←自分が持ち上げるには重すぎる)ことに気づいた」

[考え方]too ... to ~ の構文であること、また、the stone は to lift の意味上の目的語であることから正解を判断する。

[池内]《略式》であれば、2. for him to lift it も可である。本問題集は1998年発行ではあるが、『ジーニアス英和辞典』(大修館)などではすでに指摘されていたことである。最新の『ジーニアス英和辞典』第5版では<目的語は…示さないことが多いが、つけても間違いではない>と《略式》表記も削られている。

2015年5月9日土曜日

「精選 英文法道場」 飯田康夫著 (駿台文庫) (1)


65. When I went back to the town I (      ) eight years before, everything was different.
  1. had left    2. have left    3. left    4. was left            (大谷女子大[改題])

[解答 65] 1. had left

[完成文と日本語訳] When I went back to the town I had left eight years before, everything was different. 「私が8年前に後にしたその町に戻った時、すべてが違っていた」

[考え方] eight years before はwent back to the town という過去の時点からさらに遡る8年前を示すので、それによって修飾される動詞は過去から見てさらに過去を表すために過去完了形の動詞を用いることになる。

【池内】原則的には大過去形 had left を用いるべきであるが、eight years before と時の前後関係が明示的であるから、過去形 left を用いても文意が紛れることはなく、1. had left のみならず 3. left も文法的に問題はない。

309  Past tenses sometimes remain unchanged
  A  In theory the past tense changes to the past perfect, but in spoken English it is often left unchanged, provided this can be done without causing confusion about the relative times of the actions.―A Practical English Grammar:309
(理論上は過去時制は過去完了に変わるが、口語英語では、行為の相対的時間について混乱が生じなければしばしば変わらずに残される)




68. When you (      ) the magazine, please leave it on the table for someone else to read.
  1. read    2. have read    3. will read    4. will have read     (昭和女子大)

[解答 68] 2. have read

[完成文と日本語訳] When you have read the magazine, please leave it on the table for someone else to read. 「その雑誌を読み終わったら、他の人が読めるようにテーブルの上に置いておいてください」

[考え方] please leave it ... は命令文で、未来の行為を表すので、Whenで導かれる節は、未来の時を表す副詞節である。そこで、その節の中の動詞は、行為が未来でも現在形で済ませるべきであるが、本問では「読む時点で」ではなく「読んでしまった時点で」のように未来完了で表される行為なので、単純現在readではなく現在完了have readで表すことになる。

【池内】時を表す副詞節では、未来の動作は現在形で表されるというところまではOKだが、本問では現在完了形 2. have read のみならず現在形 1. read も正解である。文頭のWhenは「時点」を表すのではなくAfterの意味であるから、上のような説明は的外れである。




73. The father told his child that the sun always (      ) in the East.
  1. rises    2. rise    3. was rising    4. rose              (名古屋学院大)

[解答 73] 1. rises

[完成文と日本語訳] The father told his child that the sun always rises in the East. 「太陽はいつも東からのぼるということを父親は子供に教えた」

[考え方] 「父親が子供に教えた」のは過去であるが、「太陽がいつも東から昇る」のは現在でも不変の真理なので現在形で表す。

【池内】「不変の真理」であっても時制の一致をさせることは少なくない。受験英語にはしばしば「時制の一致の例外」なるものが登場するが、実際にはこのような規則はない。したがって、4. rose も正解である。

(2014年3月14日付本ブログ「『時制の一致の例外』について」を参照のこと)




77. "If I (      ) you, I would not have married him," she said.
  1. were    2. had been    3. were to be    4. would be       (関西外語大)

[解答 77] 1. were

[完成文と日本語訳] "If I were you, I would not have married him," she said. 「『もし私があなたなら、彼と結婚しなかったでしょうに』と彼女が言った」

[考え方] 帰結節は仮定法過去完了の形であるが、if 節に関しては、「私があなたでない」のは過去だけでなく現在も不変の事実なので、現在の事実に反する仮定として、仮定法過去で If I were you とする。

【池内】「不変の事実」であっても時を1つ戻して If I had been you とすることは何ら問題はなく、2. had been も正解である。


2015年4月18日土曜日

would have never p.p. / (Having been) told many lies / out of order


108 気分が悪いと知っていたら、決して彼を誘わなかったのに。

   ( 8語 )、I ( 4語 )him to come.

   ① asked  ② feeling  ③ had  ④ have  ⑤ he  ⑥ I  ⑦ known  ⑧ never  ⑨ not  ⑩ was  ⑪ well  ⑫ would 
                                                                    (青山学院大)

172 (      ) many lies, I don't trust the man any more.

   ① Telling      ② Told      ③ Having told      ④ Having been told       (九州国際大)

175  We have two washing machines, (     ) are out of order.
   ① which of both  ② what of both  ③ both of which  ④ both of what    (西南学院大)

― 解答・解説

108 (③⑥⑦⑤⑩⑨②⑪/⑫⑧④
  (完) (Had I known he was not feeling well), I (would never have asked) him to come.


172 ()完了かつ受け身の分詞構文―having been done
  (訳) 何度も嘘をつかれてきたので、私はその男をもはや信用しない。

視点 文の主語は I なので、能動の分詞構文では「私が嘘をついた」ことになる。文脈が成立しないので受け身の分詞構文とし、さらに「多くの嘘をつかれた」のが1回限りの出来事ではなく、長期間の「経験」であると考え、完了分詞を選ぶ。

①・③では「嘘をついた」のが「私」になる。②では『経験』の意味が表せない。


175 (③)(代)名詞+前置詞+関係代名詞―A of which [whom] のような形
  (訳) 我が家には洗濯機が2台あるが、どちらも故障している。

― 小崎充著『集中マスター 7日間完成+1 英文法・語法 標準問題 厳選320題』(旺文社)

- - ○ - -


 108 would never have asked だけでなく、would have never asked の語順も可能であろう。

ただし、never でなく not であれば would not have asked の語順が普通である。

Google 検索では次のようなヒット数となった。

would never have asked   317,000 件 
would have never asked   312,000 件 
would have not asked       312,000 件 
would not have asked   28,200,000 件 
wouldn't have asked    20,300,000 件


172 おそらく九州国際大では整序英作文として出題され

Having been told many lies

が正解となるのだと思われるが、それを改題し172のような選択肢を付けると④のみならず②も正解となってしまうだろう。

 著者は②では「経験」の意味が表せないというが、一般に「Having been +過去分詞」の Having been は省略できるとされている。



175  We have two washing machines, both of which are out of order. で気になるのは out of order の使い方である。

be out of order はテレビ、ラジオ、トースターなど家庭の電気製品にもときには、使われているが、正しい使い方とは言えない。個人の家庭にある物に使うのではなく、公衆電話、各種の自動販売機、公衆トイレなどの公共物がこわれているときに主として使われている。― 市橋敬三著『日米口語表現辞典』(研究社出版)

家庭の洗濯機が故障している場合は broken が使われる。

Google 検索では次のようなヒット数となった。

washing machine is out of order     90 件 
washing machine is broken    53,500 件

2015年4月16日木曜日

「言う」を表すいろいろな英語


Q 次の英文の空所に入る単語を考えなさい。

07 彼は自分は愛国者だと公言した

  He (      ) himself a patriot.

10 彼はあなたの新しいドレスが気に入ったと言った

  He (r     ) that he liked your new dress.

12 彼はその会合で公平な意見を述べた。

  He (s     ) an important opinion at the meeting.

13 彼は同情の言葉は一言も口に出さなかった。
  He didn't (      ) a single word of sympathy.

 解答  07 professed 10 remarked 12 stated  13 utter


― 速攻Z会 英単語・熟語10日間、pp. 6-7



-- ○ --

次のような別解が考えられる。

07  He ( proclaimed ) himself a patriot.

10  He ( reflected ) that he liked your new dress.

12  He ( submitted ) an important opinion at the meeting.

13   He didn't ( say ) a single word of sympathy.


Google 検索は次のようなヒット数であった。

profess    himself a ***  158,000 件 
proclaim himself a ***    22,200 件  

remarked that he ~  6,630,000 件 
reflected that he ~        322,000 件  

state an opinion            260,000 件  
submit an opinion        325,000 件 

utter a single word      196,000 件 
say a single word         345,000 件



2015年4月14日火曜日

最上級を強調する much と by far


537  Babe Ruth was (      ) the most talented baseball player in those days.

   ① very      ② much      ③ by far      ④ as far as       (同志社大)

 正解  ③  ベーブルースは当時群を抜いて有能な野球選手だった。

― 高橋阿里著『演習英熟語600』(Z会出版)

-- ○ -- 

文法的には much も可能である。問題があるとすれば、頻度の問題であろうか。

[(形)(副)の比較級・最上級の前で]ずっと、はるかに、断然 (コーパス 最上級の前で much を用いるのは《主に英》 英米ともby far の方が圧倒的に普通)
― ウィズダム英和辞典(三省堂)第3版

 したがって、頻度という観点からは、much と by far では by far の方が遥かに好い(far better)ということになろう。

が、よく「最も適当なものを選べ」ということで

much も可能だけれども by far の方が好い

などと解説されたりもするけれども、何を基準としてこのような判断をするのかが判然としないし、そのような判断を期待することは受験生にはあまりにも酷なことであろう。

 実際 Google で検索してみると
much the most talented  189,000 件 
by far the most talented  162,000 件
ということなので、頻度ということも怪しくなる。

 やはり、解答が2つ以上あって、例えば頻度の問題ということで一方を排除するというような出題の仕方は避けるべきではないだろうか。

 掲載ミスの可能性もあるように思われるが…

2015年4月13日月曜日

「寒さをものともせず」は Making nothing of か?


例題5 寒さをものともせず、彼は薄着で出かけていった。(早大)

    (    )(    )(    )the cold, he went out in thin clothes.

― 風早寛著『解体英熟語』(増進会出版)

( 例題の解答 Making nothing of )


― ― ○ ― ―

私の第一感は in spite of である。

In spite of the cold, he went out in thin clothes.

それをわざわざ分詞構文を用いて Making nothing of などと言う必要があるのだろうか。

Google検索では、

In spite of the cold     1,740,000件 
Making nothing of the cold     20件

で頻度的には問題にならない。 make nothing of を使うなら、分詞構文ではなく述語動詞としてであろうと思われる。

 和英辞典の記述をみておこう。

ものともしない ・苦難をものともせず in (the) face of great hardship; (かかわらず)in spite of great hardship ▲彼女は苦労をものともしない(=何とも思わない) She makes nothing of her trouble. ― 『ウィズダム和英辞典』(三省堂) 
ものともせず 物ともせず ▲彼は100キロぐらいの重さはものともせず持ち上げる He thinks nothing of lifting objects weighing as much as 100 kilograms. (⇒think nothing of は「…を何とも思わない) ¶ 彼はあらしをものともせず山頂を目ざして出発した They started for the mountaintop in the face [teeth] of a raging storm. ―『スーパーアンカー和英辞典』(学研)第2版 
物ともしない ¶嵐をものともせず出かけた He went out 「braving [in spite of] the storm. 彼女は私の忠告など物ともしなかった She paid no attention to [《文》took no head of] my advice. / 《口》She didn't give two hoots about my advice. ―『プログレッシブ和英中辞典』(小学館) 
物ともしない defy; think [make] nothing of ― ...を物ともせずに in defiance of ...; in spite of ...: in (the) face of ... ―新クラウン和英辞典(三省堂) 
彼は多くの困難をものともせず、北極点に到達することに成功した He succeeded in reaching the North Pole in spite of many difficulties. 私たちの抗議をものともせず、警察は彼女を逮捕した(→無視して) The police arrested her defying our protests. ―ラーナーズプログレッシブ和英辞典(小学館) 
ものともしない彼女はこんなんをもとのとせずがんばった She made nothing of difficulties and tried hard.
―『ニュープロシード和英辞典』(ベネッセ) 
物ともしない ¶ 彼は傷を物ともせず何事もなかったように仕事を続けた He made light of his injuries and carried on as if nothing had happened. ―『ルミナス和英辞典』(研究社)

2015年4月12日日曜日

prepare for the possibility of a food shortage (食糧不足の可能性に備える)



『英単語ターゲット1900』(旺文社)4訂版に次の例文がある。

117 It is wise to prepare for the possibility of a food shortage. 
   (食糧不足の可能性に備えておくことは賢明だ)

が、「可能性に備えておく」という日本語は変ではないか。

ここは、「食糧不足の可能性があるので備えておくことが賢明だ」とか「食糧不足にならないとも限らないので備えをしておくことが賢明だ」のように訳すべきなのではないだろうか。

なお、『英辞郎』には

prepare for the possibility of ~ ~の事態に備える

とあるので、「食糧不足の事態に備えることが賢明だ」といった訳も考えられるところである。

2015年4月7日火曜日

「的外れ」の英訳について


A great deal of the speaker's argument was ( beside the point, beyond question, off center, out of hand ).

―伊藤和夫編『新・英文法頻出問題演習』(駿台文庫)新装版 PART II 熟語編、P. 15

【解答】 be beside the point 要点をはずれている、無関係である
    
     (話し手の議論の大部分は見当はずれだった)

- - - ○ - - -

「的外れ」を besides the point とした誤りがネットに散見されるが、あくまでも s のない beside が正解である。 


『ジーニアス和英辞典』(大修館)第2版 の「的外れ」を見ると

その質問は的はずれだThe question is beside [ off,  away from ] the point.

となっている。Google で検索をかけると次のような頻度であった。

away from the point  275,000,000 件 
off the point      261,000,000 件 
beside the point            29,800,000 件

また、point の代わりに mark が用いられることもある。検索結果は次の通りである。

off the mark       43,100,000 件 
wide of the mark            1,130,000 件 
beside the mark      315,000 件

beside the point, wide of the mark は『Next Stage』にも出てくるので覚えておきたい。また、

to the point (要領を得た) ⇔ beside the point (要領を得ない)

にも注意。 

His explanation is always to the point.(彼の説明はいつも要領を得ている)


2015年4月5日日曜日

be on the point of ~(まさに~しようとしている)


He was (      ) the point of leaving when I arrived there.

― 伊藤和夫編『新・英文法頻出問題演習』(駿台文庫) 新装版 PARTII 熟語編、p. 19

【解答】be on the point of -ing(=be about to -)まさに―しようとしている。

    (私がそこへ着いたとき、彼はちょうど出かけようとしていた)


- - - ○ - - -

point は「点」なので、at は使えないものかと調べ直したら、次のような記述があった。

at the point of A = on the point of A 
on the point of A まさにAするところで(Aは(名)(動名)) Kelly was on the point of bursting into tears. ケリーはまさにわっと泣き出さんばかりであった. 
― ウィズダム和英辞典(三省堂)第3版


この熟語表現は『Next Stage』(桐原書店)や『Vintage』(いいずな書店)などの英文法問題集には掲載されていないし、『英熟語ターゲット1000』(旺文社)や『システム英熟語』(駿台文庫)にもない。したがって、出題頻度はそれほど高いとは思われないが、掲載されているものもいくつか見受けられる。


be about to do         まさに~しようとしている
be on the point of doing              ― 英熟語Always1001(河合出版)

be on the point of doing まさに~しようとして
be about to : be on the verge of doing 
Henry was on the point of leaving when his mother called on him.
母親が訪ねてきた時、ヘンリーはまさに出かけようとしていた。 (駒沢大)
 ― ジーニアス英熟語1000(大修館書店)改訂版

が、いずれも前置詞 at への言及はみられない。

 最後に専門書の記述を見ておこう。

point of (s.), at / on / upon the まさに…しかかって 
Suzi was at the pointo of crying when the teacher stopped the other children from teasing her.(ほかの子供たちがスージーをいじめるのを先生がとがめたときには、彼女はいまにも泣き出しそうだった) 
アメリカ語法では at が好まれる.上例を次のように表現してもよい.Suzi was just about to cry .... 
 三浦新市 / ナタリー・リード共著 『前置詞中心 英語表現辞典』(大修館書店)

2015年2月16日月曜日

英作文検討 (即戦ゼミ4 大学入試英作文総演習)

(1) 近年物価はいちじるしく上昇し、多くの人々がそれに困っています。

【訳例】Prices have gone up remarkably in recent years, and many people are suffering from it.

(検討1)時をあらわす副詞の位置
「近年物価は」のように時をあらわす副詞が主語の前に置かれる場合、英文でも副詞は前置される。

(1.1) a.  In recent years,  prices have gone up remarkably (近年物価が著しく上昇している)
b.  Prices have gone up remarkably in recent years (物価が近年著しく上昇している)

(検討2)「近年」
recently なども和英辞典に見られるが、基本的には使い分けたい。

(1.2) a.  in recent years (近年)
b.  recently      (最近/近頃)

(検討3)冠詞の有無

(1.3) a.  prices    (物価)
b.  the prices (その物価)

(検討4)「物価が上昇する」

(1.4) a.  prices have gone up   10,700,000 件
           b.  prices have increased   536,000 件
c.  proces have risen       437,000 件  ※件数はGoogle検索による。

単に「上昇する」は、go up が断トツで多いが、

(1.5) a. prices have gone up    remarkably 15 件
           b. prices have increased remarkably   23 件
           c. prices have risen         remarkably   43 件

のようにremarkably(著しく)が付けば、むしろ避けられる傾向が見られる。これは、重い remarkably と軽い go up の組み合わせ(collocation)の相性が悪いからだと考えられる。

つまり、副詞がなければ go up という軽い言い回しが圧倒的に好まれるのに対して、重い副詞が付加されれば、increase ないしは rise という重い語が用いられがちだということである。

(検討5)「困っている」
be troubled by ~ や have a hard time あたりでもOKだと思われる。

(1.6) a.  many people are suffering from it
b.  many people are troubled by that
c.  many people have a hard time (of it)

(検討6) and の有無
日本語が1文だからといって英文も必ず1文で書かなければならないというものではない。

(1.6) a.  … remarkably, and many people are suffering from it
b.  … remarkably. Many people are suffering from it.

【池内訳】 In recent yearsm, prices have increased remarkably, and many people have a hard time of it.