①I’m sorry I ②was so busy that ③I must
be absent from this class ④last week.(明治大)
【解答】③( I must be absent from → I had to be absent from )
「must には過去形がないので③の must は had to にしなければならない」ということなのであるが、気になるのは時制の一致において、従属節中の must をそのまま使うことがあるということである。
[時制の一致とmust, have to]従節中ではmustはmustのままでよい:I said to him, “You must go.” → I told him that he must go. / I said to him, “You must go.” → I told him that he had to go.《◆一般に従節におけるmust の過去は、must, had toのどちらを使ってもよいといわれるが、mustとhave toの区別をする人は must→must / have to→had toとする》―ジーニアス英和辞典 第4版(大修館書店)
加東憲吉『大学入試英語上級者のための正誤問題の解法』(文芸社)は
間接話法以外の must は過去に不可―p. 51
と言って簡単に済ませているが、
must は過去の意味を表すことはできない。ただし、間接話法などで時制を一致させる場合に限りmust を過去に使うことができる。―江川泰一郎『英文法解説』間接話法などの従属節においては、主節の動詞から時制は明らかなので、過去を表す場合でもmustをそのままの形で用いるのがふつうである。―中原道喜『マスター英文法』(聖文社)間接話法などの従属節中では、must は過去を表す。―堀口俊一・吉田劭『英語表現文法』(聖文社)
のように<間接話法など>と説明がある以上、間接話法でないからと言って must が過去形の代用として使えないとは言い切れないのである。
『英語語法大事典』(大修館書店)には、過去時制の主節に伴う従属節に must が用いられる例として、間接話法以外にも次のような文を挙げている。
(1) 目的語の名詞節: I soon realized that I must either leave the metropolis …, or that I must make a complete alteration in my style of living.(私は首都を離れるか生活態度を完全に変えるか、いずれかにしなければならないのに間もなく気づいた)―C. Doyle, A Study in Scarlet
(2) 副詞節: We submitted because we must.(そうせざるを得なかったのでわれわれは服従した)(Jespersen : Grammar IV)
さらには、前後の文脈からして過去についての叙述であることが明らかな独立文の例として
But the fatal dilemma still confronted Tories. Either they must run risks of treason …; or they must give up their traditional principles ….(トーリー党員はまだゆゆしいディレンマに直面していた。彼らは反逆の危険を犯すか、または彼らの伝統的な主義をすてるか、何れかをしなければなかなかった)―H. Cecil: Conservatism
も挙げている。
さて、冒頭に掲げた問題は、間接話法ではないけれども、
過去形の must が用いられるのは、主節または前の文の動詞が過去形であって、過去について述べているということがはっきりしている場合―『英語語法大事典』
に該当するように私には思われるのであるがどうだろうか。
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