2014年4月30日水曜日

liveは状態動詞であっても進行形にできる


liveは状態動詞なので進行形にできない」と平気で言う学校の教師や塾の講師が少なくない。私は2人に1人がこのように思い込んでいるのではないかと感じている。
 
 おそらく辞書を引く習慣がないのであろう。だからこんな出鱈目(でたらめ)な説明がまかり通るのである。


(1)『ジーニアス英和辞典 第4版』(大修館書店)
I live in Tokyo.
私は東京に住んでいる《×In Tokyo I ~.は不可;cf. In Paris he died.

I am living in Tokyo.
今は東京に住んでいる《現在進行形は現在の一時的居住を表す》

(2)『ウィズダム英和辞典 第3版』(三省堂)
“Where do you live?” “I live in London.” 「お住まいはどちらですか」「ロンドンです」(“Right now I’m living in London.” のように進行形で言うと一時的な居住地を表す)

(3)『コアレックス英和辞典 第2版』(旺文社)
Where do you live? お住まいはどちらですか / I live in Perth [near the school, on Baker Street]. パース[学校の近く、ベーカー街]に住んでいる / I’m living with my parents. 今両親と住んでいます(◆liveを進行形で使うと、一時的に居住している状態を表す)

 よく参考書や問題集にいくつか「進行形にできない動詞」が掲載されているが、私が調べた限りではliveが載っているのは『完全版 英文法・語法 問題集 Master 1000』(東進ブックス)(解答・解説編、p. 66)のみである。

 「liveは状態動詞だから進行形にならない」と思うのは勉強が浅すぎるとしか言い様がない。状態動詞であっても「一時的」の意味合いが加味される場合は進行形と成り得る。
a.     He is being kind.
b.     He is standing at the door.
c.      He is wearing the glasses today.
逆に、liveが進行形をとれることに触れている高校生向けの参考書をいくつか挙げておく。

(4) 『基礎と研究 現代英文法』(数研出版)p. 233
 「彼は鎌倉に住んでいる」
(a)   He is living in Kamakura.  (b) He lives in Kamakura.
(a)では、鎌倉は定住地ではない(「一時的に鎌倉に住んでいる」)のに対して、(b)では、鎌倉が定住地である。ただし、単に住所を示す場合などには、いずれを用いてもよい。

(5) 『新英文法』(数研出版)p. 66
 He lives in Tokyo.(彼は(ずっと)東京に住んでいる)
 He is living in Tokyo.(彼は今(一時的に)東京に住んでいる)

(6) 『4訂版 基礎からの新総合英語』(数研出版)p. 67
(a)   Lisa lives in Paris.(リーサはパリに住んでいる)
  (b) Lisa is living in Paris. (リーサは(今は)パリに住んでいる)
(a)   は定住していることを表し、(b)は一時的に住んでいることを表す。

(7) 『総合英語 be update』(いいずな書店)p. 71
 I’m living in New York.(私はニューヨークに住んでいます)
 liveを進行形で使うのは、引っ越しの可能性があるような場合(変化が感じられるから)。ある場所にずっと住んでいる場合には、I live in Tokyo.(東京に住んでいます)のように現在形を使う。

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